クマ襲撃、重傷負った男性「逃げる余裕ない」(山形県)

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 山形県最上町で9月、キノコ採りで入った山でクマに襲われて重傷を負った男性(63)が、読売新聞の取材に応じ、「とっさのことで逃げる余裕は全くなかった」と当時を振り返った。

 男性が近所の山に1人で出かけたのは9月18日午前6時半頃。年に1、2度入る「慣れた山」で、「ちょっと行って帰ってくる感覚」で出かけたという。雨よけのカッパを身に着け、軽食を入れたリュックを背負ったが、ラジオや鈴などは持たなかった。

 キノコ採りを終え、下山を始めたのは午前8時前。足元を見ながら茂みの中を進み、開けた道に出たところで顔を上げた瞬間、目の前に黒い物体が現れた。体長約1メートルのクマだった。

 声を発する間もなく、クマは襲いかかってきた。驚いて後ろに倒れ込んだ男性に覆いかぶさり、左手にかみついた。さらに顔やふくらはぎを引っかき、かみついてきた。

 男性が手足をばたつかせて抵抗すると、クマは逃げていったが、男性の頬骨は折れ、鋭い爪で引き裂かれて顔は血だらけ。足を引きずりながら下山し、携帯電話で家族に連絡したものの、顔の傷がひどく、うまく話すことができなかった。

 クマの後ろには、子グマと思われる一回り小さいクマもいた。「親グマはすごく殺気立っていた。逃げたり、対峙たいじしたりする余裕すらなかった」という。

 男性は今も山形市内の病院に入院して治療を受けている。顔を包帯で覆った姿で、「対策もせず、安易な気持ちで山に行ってはダメだ。もう山には怖くて入らんねえ」とつぶやいた。

読売新聞

http://www.yomiuri.co.jp/national/20161005-OYT1T50078.html

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