山の厄介者から山の幸に(島根県)

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 ◇出雲でイノシシラーメン 過疎地活性へ限定販売

 農作物を食い荒らすイノシシの肉を使ったしょうゆラーメン「みはた いの骨らーめん」の店が8~10日、出雲市佐田町大呂の集会所「なかよし会館」にオープンする。御幡みはた自治会の有志が、山の厄介者を活用して過疎地の活性化につなげようと、2度の試験提供を経て今回、本格的に販売する。

 御幡自治会は出雲市の南端に位置する山あいの地区にあり、21戸で70人が暮らす。農作物がイノシシに食い荒らされるため、耕作意欲をなくす高齢者もいた。

 住民たちは、こうした問題を解決しようと、昔の日本人の多くが農作業に欠かせない牛馬を口にせず、イノシシ肉を貴重なたんぱく源にしてきた歴史に着目。「コシヒカリをたっぷり食べたイノシシなら、現代の我々が食べてもおいしいはず」と、2007年に有志13人で「みはた特産品研究会」を設け、地域活性化事業を始めた。

 14年3月には、なかよし会館の隣に肉処理場を建設し、総菜製造や飲食業などの資格を取得。20~70歳代の住民16人が、イノシシ肉のカレーやコロッケを作り、ぶつ切りにした肉やショウガ、ニンニクなどを煮込んだうま煮などを考案してきた。

 休日に県内外のイベント会場で販売したが、すぐに類似した料理が出回るため、他地域との差別化が難しかった。そこで、これまで廃棄していた骨に着目し、子供から高齢者まで人気があるラーメンを思いついた。

 あくを抜くため、骨を1日かけて煮込み、さらに2日間にわたってタマネギやニンジンなどと煮込んでスープにした。チャーシューには、11月~3月に捕獲され、脂がのった肉を使った。血抜きをしっかりしているために臭みがなく、あっさりしたしょうゆ味に仕上げられたという。

 昨年秋と今春、試験的に店を開いて提供したところ、好評だったことから、8~10日に本格販売することにした。同研究会のメンバーで、狩猟免許を持つ渡部博さん(62)は「イノシシ肉は塩とこしょうだけでも味わえる。手間暇かけた自然の味を堪能してほしい」と呼び掛ける。

 渡部良治会長(66)は「ジビエブームで、イノシシが脚光を浴びてきた。我々は皆、農作業や仕事があるので、年2回しか開店できないが、この機会に食べに来てもらい、自然に囲まれた佐田町を好きになってほしい」と話している。

 1杯900円。午前11時~午後2時で、各日約100食準備。食材がなくなり次第、閉店する。次回の開店は来年3月25、26日

読売新聞

http://www.yomiuri.co.jp/local/shimane/news/20161003-OYTNT50062.html

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