キノコ採り クマにご注意…冬眠前活発化(山形県)

 ◆目撃前年の2.3倍

キノコ採りシーズンを迎え、県内の山間部を抱える地域では、自治体や警察、猟友会など関係機関・団体が、クマによる被害防止に神経をとがらせている。県内では今年、クマの目撃件数が過去5年では最多となるペースで推移し、先月は最上町の山で男性が襲われて顔に重傷を負っており、冬眠前に活発化するクマへの警戒を強めている。

 県庄内総合支庁はクマの対策会議を開き、関係者約30人が出席した。県の担当者は、クマが冬眠を控えて栄養を蓄えるために餌を求めて行動を活発化させる習性について説明。特に今年は、主要な餌となるブナの実が凶作である点を強調した上で、「餌不足の影響で、クマが人里近くまで出てくる恐れがある」と述べ、危機感をあらわにした。

 また、新庄署では、管内(新庄市、最上郡)のすべての交番と駐在所で、「お巡りさん」オリジナルの広報紙を作り、クマへの注意を呼びかけている。山あいの地域、田畑の広がる地域など、それぞれの地域事情に合わせた対処法を盛り込み、住民に注意を求める試みだ。

 県によると、今年に入ってからのクマの目撃件数は522件(9月19日現在)で、既に前年(225件)の2・3倍に達している。過去5年で見ても年間件数で最多の2012年(446件)を上回っている。

 9月18日には最上町の熊ノ返山でキノコ採りをしていた男性が親子とみられるクマ2頭と出くわし、襲われて頬骨を折る重傷を負った。4月には西川町で渓流釣りをしていた男性がクマに襲われ、顔や腕に切り傷などを負っている。

 ◆「バッタリ遭遇」対策を

 キノコ採りシーズンを迎え、各地で多くの住民が山へ入ることが予想される。“お宝探し”に夢中になっている時に、クマとバッタリ遭遇するという危険な事態が、いつ生じるかわからず、「予断を許さない状況にある」(県の担当者)。併せて、栗や梨などの秋の味覚が実る季節でもあり、クマが人里へ出没する事態も想定される。

 県はホームページなどを通じて、〈1〉クマの出没情報のあった場所に近づかない〈2〉クマよけ鈴やラジオなどを鳴らして存在を知らせ突然の遭遇を回避する〈3〉クマを見たら、クマに背を向けずにゆっくりと離れる〈4〉クマの餌になるような果物などのごみを放置しない――といった対策を周知し、自治体や警察などと連携して対策を強化している。

読売新聞

http://www.yomiuri.co.jp/local/yamagata/news/20160930-OYTNT50138.html