イノシシ捕獲、県の公共事業に…被害前でも駆除(新潟県)

%ef%bc%94%ef%bc%93%ef%bc%94

 新潟県は今年から公共事業としてイノシシの捕獲・管理事業に乗り出す。

 これまでは農産物などに被害が出るまで捕獲できなかったが、今後は委託を受けた事業者が被害がなくても計画的に捕獲できるようになる。野生動物による農作物被害に歯止めをかける一手となるか注目が集まっている。

 今年から始まった指定管理鳥獣捕獲等事業は有害鳥獣による農業被害などを防ぐため、2015年から国が導入した。ニホンジカとイノシシなどの指定管理鳥獣の捕獲・管理の主体となる国と各都道府県は一種の公共事業として、予算を請求して事業者に捕獲を委託できる。

 これまでは、趣味などの狩猟のほか、農作物などの被害に遭った人々らが市町村などから許可を得て行われる有害駆除でしか、鳥獣を捕獲できなかった。今後は指定された鳥獣について県が計画を立て、被害やその恐れがない場合も捕獲できる。夜間の銃猟も解禁される。

 県内ではイノシシの生息域が拡大し続けており、現在は推定4400頭ほど分布しているという。昨年度は1273頭を捕獲したが、推定生息数の減少には至っていない。これを受けて県は昨年夏に事業の導入を検討し、今年度から予算を確保。今月14日、イノシシについての捕獲および管理を行う事業者の募集を始めた。

 公募されるのは、捕獲事業とモデル事業の二つ。いずれも今年9月~来年3月が実施期間で、捕獲事業で対象となるのはイノシシ。今年の事業全体の目標捕獲頭数は150頭で、特定の区域で頭数を定め、捕獲する。モデル事業では、感知センサーなどの最新技術を用いた効果的な捕獲方法を探り、実証する。それぞれの見積もり限度額は500万円と、743万円だ。

 公共事業となることで狩猟者(ハンター)側の負担軽減が予想され、以前より計画的に鳥獣を駆除できるとの期待もある。一方、捕獲目標を達成できなかった場合に委託金をどう支払うかなどが決まっていない。事業計画に盛り込まれたICT(情報通信技術)の活用についても効果を疑問視する声もある。長岡技術科学大の山本麻希准教授(生態学)は「県の計画や事後評価がしっかりしていなければ予算の無駄になる。急務である人材育成の視点も踏まえ、捕獲事業の内容を精査する必要がある」と指摘している。

読売新聞

http://www.yomiuri.co.jp/national/20160921-OYT1T50110.html