交通騒音 フクロウに脅威…北大など世界初解明(北海道)

音を頼りに獲物を狩る夜行性のフクロウ類などについて、北海道大と森林総合研究所などの研究チームが、道路からの交通騒音で獲物を見つける能力が最大で約9割低下することを世界で初めて解明した。これまでの研究では道路から50メートル離れると影響はほぼなくなるとされていたが、影響が120メートルの広範囲に及ぶことも確認された。

 チームのリーダーを務める北大博士課程3年の先崎理之さん(28)は「フクロウ類を守り、生態系を維持するため、道路建設などの参考にしてもらいたい」としている。

 フクロウ類やコウモリ類の一部は、獲物となるネズミの居場所を、足音を聞いて見つけるとされる。研究チームは2014年12月から15年3月に、宮城県や苫小牧市の生息地で実験。ネズミの人工的な足音を90デシベルで再生し、集まったトラフズクとコミミズクの計78羽を追跡した。

 実験では、集まったフクロウ類から50メートル離れた場所で足音を35デシベルで再生し、足音を妨害する自動車騒音の音量を変化させて、影響を比較した。50メートル先の妨害音は自然音(32デシベル)と、道路から120メートルに相当する40デシベルから電車内の騒音に相当する80デシベルまでを試した。

 その結果、自然音ではほぼ50メートル先に出現したが、40デシベルでは14羽中9羽、80デシベルでは13羽中1羽だけしか出現しなかった。先崎さんは「道路の交通量や環境などによって、騒音の音量が変わり、影響はさらに広範囲になる可能性がある」と指摘している。

 論文は英電子版科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」に掲載された。

読売新聞

http://www.yomiuri.co.jp/hokkaido/news/20160922-OYTNT50046.html

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