ネットで資金調達 活発に…地域活性化に一役(石川県)

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◆クラウドファンディング 耕作放棄地を復田

 新規事業・企画の資金をインターネットで募るクラウドファンディング(CF)の活用が県内で活発だ。発案者はネット上で提案して資金を調達でき、出資者は事業が成功すれば返礼を受けられるなど、双方にメリットがある。CFは耕作放棄地の整備や地域資源の活用事業などにも有効で、地域の活性化に一役買っている。

 志賀町仏木に広がる5ヘクタールほどの田園。3年前まで雑草が生い茂る耕作放棄地だったが、同町の農業法人「ゆめうらら」の裏貴大社長(29)がCFで得た資金を活用し、復田させた。

 裏社長は昨年4月、知り合いの勧めで、CF仲介サイト「Makuake」で耕作放棄地の整備費用として432万円を募った。出資者に対する返礼は、2万5500円に対して農業体験や収穫した米計10キロ、和倉温泉「加賀屋」の半額利用クーポン、5万円に対して1区画分の年間田んぼオーナーの権利や米計60キロなどとした。

 約1か月で100人から443万6600円が集まり、裏社長は「耕作放棄地を人ごとと見過ごせない人が多いことが分かった。今後も整備を進め、能登の耕作放棄地をゼロにしたい」と意気込む。

 羽咋市の「ハタブネコンサルティング」は、県内で増加するイノシシによる獣害に着目。狩猟されたイノシシを廃棄処分するのではなく、加工肉や革製品に再利用するアイデアを掲げ、CF仲介サイト「FAAVO」で総額50万円の支援を求めた。北海道から九州にかけて出資者が現れ、約1か月間で70万5000円を獲得。資金をイノシシ革の小財布などの商品開発に充て、9月23日に金沢市でイノシシ革製品のショップを開店する。吉村祐紀代表(26)は「小さな会社でも全国にアイデアを発信できる」と手応えを語る。

 同サイトを運営する「サーチフィールド」(東京都渋谷区)によると、県内のCF利用は、2013年からの3年間で会員数が487人から1018人に倍増した。寄せられた資金も348万円から1293万円に拡大。担当者は「石川では、困っていることを生かす『逆転の発想』を提案する案件が多く、支援者からの共感を得やすい」と分析する。

 民間での機運の高まりを受け、行政も今年度から出資者と企業を結ぶマッチング事業を始める。県産業政策課は県内のベンチャー企業5社程度を選定し、10月頃に東京で投資会社と懇談する機会を提供する予定だ。同課の野見佳賢課長補佐は「斬新なアイデアを形にすることが大事。民間と行政が連携し、県内の有望な企業を育てていきたい」と話している。

 ◎クラウドファンディング…個人や企業などがアイデアをインターネットで提案し、賛同者に出資してもらう資金調達手法。設定した期間内に目標額に達しない場合は出資者に返金される。「群衆(crowd)」と「資金調達(funding)」を合わせた造語。

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