エゾシカ、1カ月で80キロ移動 環境省が調査[北海道]

釧路湿原国立公園で越冬したエゾシカが春に約80キロ離れた標津町まで移動したことが、環境省の発信器調査でわかった。同湿原でのエゾシカの季節移動が明らかになったのは初めてで、同省は24日の専門家による検討会で報告した。今冬は発信器の装着頭数を増やして湿原への流出入経路を把握し、効率的な捕獲手法を探っていく。

 同省は昨冬からエゾシカの生息密度が高い釧路湿原東部の達古武沼(釧路町)に面した丘陵地の森林(同省所管)内に囲いわなを設置し、49頭を捕獲した。このうちメスの成獣2頭にGPS受信機を組み込んだテレメトリー送信機を装着して放し、移動ルートの追跡を始めた。

 1頭は達古武沼周辺にとどまっているが、もう1頭は4月13日から北東方向に移動を始め、5月15日に標津町役場に近い牧草地に到着。いまも河畔林などをねぐらに牧草を食べながら生息しているという。夏は標津を出産などの生息地、冬は釧路湿原を越冬地とする個体で、今冬も釧路湿原にやってくる可能性が高いとみている。